令和7年2025年1月27日に行われたフジテレビの記者会見は、その長時間ぶりで注目を集めました。
この会見は約10時間23分という驚異的な長さで行われ、多くの人々の間で話題となりました。
そんな日本の記者会見の中でも、令和の歴代に残る長時間の記者会見をランキング形式で紹介したいと思います。
さらに、世界に目を向けると、フジテレビの会見以上の驚異的な長時間記者会見がありましたので、そちらについても紹介していきます。
今回は、日本令和歴代の長時間記者会見ベスト5をランキング形式でご紹介するとともに、世界のギネス記録についても掘り下げていきます。
【日本歴代】記者会見の長時間ランキングベスト5
それでは、日本歴代記者会見の長時間ランキングの令和ベスト5を紹介していきます。
記者会見長時間ランキング、令和ベスト5は以下になります。
- 「フジテレビ」やり直し会見《10時間23分》
- 「吉本興業」闇営業問題《5時間30分》
- 「ジャニーズ」ジャニー喜多川性加害問題《4時間12分》
- 「関西電力」金品受領問題《3時間45分》
- 「日大アメフト部」薬物問題《2時間45分》
ランキング上位3位は、いずれも芸能関係の問題による記者会見となってしまっています。
どれもインパクトが大きいため、記憶にある方は多いかと思います。
それでは、ランキングベスト5を一つずつ見ていきましょう。
「フジテレビ」やり直し会見
記者会見時間:10時間23分
日時:令和7年2025年1月27日
元タレントの中居正広さん(52)の女性トラブルにフジテレビ社員が関与したと報じられた問題について、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスは、2025年1月27日午後4時から記者会見を行いました。
出席者にはフジテレビ港浩一社長や親会社の嘉納修治会長、明日付で社長に就任する清水賢治氏らが名を連ねました。
この騒動を受け、フジテレビはスポンサー75社以上がCM放送を見合わせるという前代未聞の事態に直面。
会見は2回目の開催となり、473人の記者が191媒体から参加。
会見時間は異例の10時間超に及び、28日午前2時過ぎに終了。
会見は生中継され、質疑応答は女性のプライバシー保護の観点から10分遅れで放送されましたが、開始直後から記者と司会者の間で怒号が飛び交う混乱した状況に。
特に、フリーの記者がA子さんの名前を挙げて質問し、司会者が注意する場面が目立ちました。
問題の中心にある「中居氏とA子さんの間で何があったのか」については、フジ側が「人権侵害の疑いがある」としつつも具体的な説明は控え、中居氏の認識とA子さんの主張が異なっていると述べました。
一時、「中居氏が同意の上だったと主張している」と発言した遠藤龍之介副会長が後に撤回するなど、回答の曖昧さが記者席の怒りを買う結果に。
長時間にわたる会見にSNSでは「まだやっている」「記者の質問が挑発的すぎる」といった声が相次ぎ、終了時には参加者が当初の3分の1にまで減少。
10時間を超える会見中には、SNS上で参加者の体調やトイレ休憩を心配する声も上がるほどに。
出席者からは「核心に迫る内容が少なく、課題が山積」といった批判も。
この会見で、嘉納会長と港社長が辞任を表明し、フジテレビは新たな経営体制で信頼回復に取り組む姿勢を示しました。
記者側のマナーや準備不足を指摘する声もあり、今後の記者会見のあり方に課題を残した記者会見となったのです。
「吉本興業」闇営業問題
記者会見時間:5時間30分
日時:令和元年2019年7月22日
吉本興業の闇営業問題は、2019年6月に一部の所属タレントが反社会的勢力のパーティーに参加し、金銭を受け取っていたことが報じられたことで発覚しました。
この問題は、所属タレントだけでなく、吉本興業の経営体制やコンプライアンスにも批判が集中する大きなスキャンダルに発展。
2019年7月20日、問題の中心となった宮迫博之さん(当時雨上がり決死隊)と田村亮さん(ロンドンブーツ1号2号)が記者会見を開きました。
この会見では、彼らが反社会的勢力との関係を否定しながらも、当初金銭の受領を隠蔽していたことや、事務所の対応への不満を吐露。
特に吉本興業からの圧力があったとされる発言が波紋を呼びました。
その後、7月22日には吉本興業の岡本昭彦社長が記者会見を開きました。
岡本社長は「パワハラ的な発言があったと認識しており、反省している」と述べつつも、具体的な事実関係について曖昧な説明が多く、記者からの厳しい追及を受けました。
また、吉本興業としての管理体制の不備や、タレントとの信頼関係の欠如が浮き彫りとなり、SNS上でも「会見の説明責任を果たしていない」とする批判が広がりました。
さらに、吉本興業が掲げる「家族的な関係」というスローガンが現実とは乖離しているのではないかという指摘が相次ぎ、タレントと経営陣の関係性の再考が求められることとなりました。
この一連の騒動は、芸能事務所全体におけるタレントとの契約の透明性や労働環境の改善を問うきっかけともなり、業界全体に大きな影響を与えました。
「ジャニーズ」ジャニー喜多川性加害問題
記者会見時間:4時間12分
日時:令和5年2023年9月7日
ジャニー喜多川氏による性加害問題が公となり、大きな社会的議論を巻き起こしました。
2023年5月、元ジャニーズJr.の複数人がジャニー氏からの性加害を公に告発し、これにより日本のみならず海外メディアもこの問題を大きく取り上げました。
同年8月29日には、国際的人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が声明を発表し、ジャニーズ事務所に問題の認識と被害者救済を求める圧力が高まりました。
ジャニーズ事務所は2023年9月7日、都内で記者会見を開催。
会見には、東山紀之新社長や藤島ジュリー景子前社長、井ノ原快彦が出席。
この場で藤島氏はジャニー喜多川氏による性加害の事実を認めるとともに、自身の社長辞任を表明。
また、新社長に就任した東山氏は「被害者の声に耳を傾け、救済と再発防止に尽力する」と述べ、信頼回復への決意を語りました。
記者会見は4時間にわたり行われ、メディアからは事務所としての責任や隠蔽疑惑について厳しい追及がなされました。
SNS上では会見内容への賛否が広がり、ジャニーズ事務所の今後の対応が注視されました。
この問題は芸能界における権力構造や人権意識の見直しを迫る契機となりました。
ジャニーズ事務所が創業者ジャニー喜多川氏による性加害問題について公式に謝罪した会見は多くの注目を集め、また、この会見では、被害者への謝罪と補償の方針が発表される一方、事務所の再編や今後の運営についても議論が行われました。
記者からの鋭い質問が相次ぎ、4時間を超える長時間となったこの会見は、芸能界全体の体質改善を促す契機となりました。
「関西電力」金品受領問題
記者会見時間:3時間45分
日時:令和元年2019年10月2日
関西電力の金品受領問題は、2019年9月に発覚し、日本の企業倫理やガバナンスの在り方に大きな衝撃を与えました。
同社の役員や社員が、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていたことが報じられ、問題が表面化。
森山氏は長年にわたり、同町にある高浜原発関連の公共工事を取り仕切る立場にあり、関電との密接な関係が疑問視されていました。
2019年10月2日、関西電力は大阪市内で記者会見を開き、岩根茂樹社長らが出席。
この場で、20人の役員や社員が森山氏から金品総額3億2,000万円以上を受け取っていたことを公表し、その中には現金や商品券、金貨、高級スーツなどが含まれ、長年にわたり受け取られていた事実が明らかになりました。
岩根社長は、森山氏からの金品が事業推進のため「やむを得ず受け取った」と釈明しましたが、強い批判を浴びました。
また、会見では一部金品が森山氏に返還されたことも説明されましたが、返還の経緯や全貌の透明性を欠いているとして厳しい追及を受けました。
会見の態度や説明の曖昧さに対して、世間やメディアからは不信感が広がり、SNS上でも「説明責任を果たしていない」と批判が殺到。
同社は第三者委員会を設置し、調査結果を公表する方針を示しましたが、企業統治や原発事業を巡る構造的な問題として大きな社会問題となりました。
この事件は、地方政治と企業の癒着や、公共事業を取り巻く不透明な実態を浮き彫りにした重要な事例とされています。
「日大アメフト部」薬物問題
記者会見時間:2時間45分
日時:令和5年2023年12月4日
日大アメリカンフットボール部の薬物問題は、2023年8月に発覚し、大学の運営体制や部活動のあり方に対する厳しい批判を呼び起こしました。
この問題は、同部の寮内で違法薬物が発見され、学生1名が逮捕されたことから表面化。
その後の捜査では、他の学生や関係者が薬物使用や所持に関与していた疑いも浮上しました。
2023年8月20日、日本大学は記者会見を開き、林真理子理事長や大塚吉兵衛学長が出席。
この場で、問題発覚の経緯や大学側の対応が説明されました。
林理事長は「学生が違法行為に関与したことを重く受け止め、深くお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、薬物が部活動の寮内で発見された経緯や、その管理体制の杜撰さを認めました。
会見では、薬物がどのように寮に持ち込まれたのか、監督やコーチが状況を把握していたかどうかが焦点となり、記者から厳しい質問が相次ぎました。
しかし、一部の質問には具体的な回答を避ける場面もあり、不透明な対応が批判を浴びることに。
大学側は、アメフト部の活動を無期限停止とし、第三者委員会を設置して原因究明と再発防止策を進めると表明しました。
この問題を受け、SNSやメディアでは大学全体のガバナンスや部活動の規律の甘さが指摘され、世間の失望感が広がり、さらに、日本大学のブランドイメージにも深刻な影響を与え、学生や保護者からの信頼回復が喫緊の課題となっています。
この事件は、大学スポーツ界全体におけるガバナンスの必要性を改めて問い直す契機となりました。
世界の『長時間記者会見』ギネス記録は何時間?
長時間記者会見の世界1位は、2019年10月にウクライナのゼレンスキー大統領が首都キエフで行った12時間に及ぶ会見です。
この記録は、ギネス世界記録にも認定されています。
ゼレンスキー大統領は、同年5月に大統領に就任後、初の大規模な記者会見を実施。
ウクライナ国内外のメディア約300社が参加し、政治、経済、外交など幅広いトピックについて語られました。
なお、それまでの長時間記者会見の記録は、ベラルーシのルカシェンコ大統領による7時間超とされていました。
今回のフジテレビの会見は、世界記録には及ばないものの、10時間超えという”世界トップレベル”の長時間記者会見として注目されています。
まとめ:【日本歴代】記者会見の長時間ランキング令和ベスト5!世界のギネス記録は何時間?
日本の記者会見は、その長時間ぶりが話題となることがあります。
特に令和7年のフジテレビやり直し会見は、10時間23分という驚異的な長時間の会見となりました。
また、過去の吉本興業、ジャニーズ、関西電力、日大アメフト部などの会見も、各分野で深刻な問題に対応するための重要な場となりました。
世界に目を向ければ、ウクライナのゼレンスキー大統領が記録した12時間の記者会見は、長時間記者会見の世界記録として語り継がれています。
このような記者会見は、その長さだけでなく、社会に与える影響力の大きさでも注目されます。
今後も、重要な問題に対して透明性を持って対応する記者会見が増えることを期待していきたいものです。
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