2024年2月、福岡県みやま市にある小学校で、給食中にウズラの卵をのどに詰まらせた小1男児が窒息死するという痛ましい事故が発生しました。
この事故を受け、男児の遺族は福岡県みやま市を提訴し、全国的にも大きな波紋を呼んでいます。
「一体どこの小学校で起きたのか」「事故の背景には何があったのか」。
ウズラの卵が原因となった小学校での窒息死事故について、福岡県みやま市のどこの小学校で起きたのか詳しく見ていきましょう。
ウズラの卵で小1男児が窒息死、遺族が福岡県みやま市を提訴
福岡県みやま市で2024年2月に発生した、市立小学校の1年生男児(当時7歳)が給食のウズラの卵を喉に詰まらせて亡くなった事故は、多くの方に衝撃を与えました。
この度、男児の父親が6月6日、市に対して約6千万円の損害賠償を求め、福岡地裁柳川支部に提訴しました。
父親は、今回の事故が学校側の不注意によって引き起こされたものであり、適切な説明や謝罪が不足していると感じているため、裁判に踏み切ったと会見で語っています。
「大事な息子を返してくれ、生きたまま返してくれ」という言葉には、深い悲しみと無念さが込められていました。
訴状によると、事故当時、教室には20名の児童と担任の先生がいました。
男児は「みそおでん」の具材の一つだったウズラの卵を喉に詰まらせ、その後救命措置が取られましたが、残念ながら窒息により命を落としてしまいました。
父親は訴状の中で、ウズラの卵が「喉に詰まる危険性が高い」食材であり、文部科学省などからも注意喚起がなされていたことを指摘しています。
それにもかかわらず、新任の担任教諭がこの危険性を十分に認識しておらず、児童に対して丸呑みしないよう事前に注意する義務を怠ったことが、発見や救命措置の遅れにつながったと主張しています。
さらに、新任教諭への指導を怠ったとして、校長にも過失責任があると訴えています。
この事故に関して、市学校安全調査委員会(第三者委員会)は2024年12月、教職員の誤嚥事故への認識不足や、十分な救命講習が実施されていなかったことを指摘する調査結果と提言をまとめています。
この報告書は、今回の事故が単なる不幸な出来事ではなく、学校側の安全管理体制に問題があった可能性を示唆していると言えるでしょう。
ウズラの卵で小1男児が窒息死した小学校はどこ?
今回の痛ましい窒息死事故が起きてしまった小学校はどこだったのか、多くの人が知りたいと感じていることでしょう。
この事故は、まさしく福岡県みやま市の市立小学校で発生しました。
福岡県みやま市の小学校
このウズラの卵による小1男児の窒息死事故が発生した小学校について調査を進めた結果、その学校名が明らかになっています。
福岡県みやま市には、全部で7つの小学校があります。
具体的には、清水小学校、水上小学校、南小学校、高田小学校、瀬高小学校、大江小学校、そして今回の事故現場となった桜舞館小学校です。
これらの小学校は、通常、地域の給食センターなどで一括して給食が作られ、同じ献立が提供されることが多いとされています。
そのような中で、桜舞館小学校でこのような悲劇が起きてしまったことは、非常に不運であり、同時に、学校現場における安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしています。
同じ献立が提供されているにもかかわらず、なぜこの小学校で窒息死事故が発生してしまったのか、この点が今回の訴訟においても重要な争点となることでしょう。
個々の児童の状況や、その日の教員の配置、見守りの体制など、さまざまな要因が絡み合って事故につながった可能性も考えられます。
窒息死事故が起きた当時の「給食の献立」
福岡県みやま市の小学校で2024年2月26日に小1男児が窒息死した事故は、給食のウズラの卵が原因でした。
では、この事故が起きた当時の給食の献立はどのようなものだったのでしょうか。
詳細を以下にご紹介します。
事故当日の献立は以下の通りでした。
- ご飯
- 味噌おでん(鶏肉、てんぷら、厚揚げ、ウズラの卵、人参、こんにゃく、大根、里芋)
- 海藻サラダ
- 牛乳

この献立の中で、ウズラの卵は味噌おでんの具材の一つとして提供されていました。
ウズラの卵は、一般的に縦約3cm、横約2cm程度の大きさで、ツルツルとした表面と弾力のある食感が特徴です。
噛まずに丸呑みしてしまうと、大人の喉でも詰まらせてしまう危険性があると言われています。
特に、小学校低学年の児童は咀嚼が十分に発達していなかったり、食事中に集中力が散漫になったりすることもあるため、このような形状の食材には細心の注意が必要です。
この献立を見たとき、多くの人が日常的に食べているものが含まれていることに気づくでしょう。
しかし、その中に潜む危険性、特に小さな子供にとっては見過ごされがちなリスクがあることを、私たちは今回の事故を通じて改めて認識させられました。
給食は栄養バランスを考慮して作られていますが、同時に児童の年齢や発達段階に合わせた安全への配慮が不可欠であることを痛感させられます。
過去にも同様な窒息事故の事例があった
今回の福岡県みやま市の小学校で起きたウズラの卵による小1男児の窒息死事故は、決して初めての出来事ではありません。
過去にも、給食中の窒息事故は何度か報告されており、そのたびに痛ましい結果を招いています。
これらの事例から、私たちは何を学び、どのように再発防止策を講じていくべきなのでしょうか。
過去の類似事例をいくつかご紹介します。
- 2010年には、栃木県真岡市で小学1年生の児童が給食の白玉を喉に詰まらせ、意識不明の重体となり、残念ながら2013年に亡くなりました。
- 2015年には、大阪市の小学1年生がウズラの卵を喉に詰まらせて命を落としています。今回の福岡県みやま市の事故と同じく、ウズラの卵が原因でした。
- 2021年には、新潟県佐渡市で小学5年生が給食のパンを喉に詰まらせて死亡するという痛ましい事故も発生しています。
これらの事例は、食材の種類に関わらず、給食中の窒息事故はどの学校でも起こりうる危険性があることを示しています。
文部科学省の「食に関する指導の手引」には、給食時の窒息事故防止に関する項目が設けられています。
しかし、その内容は「よく噛んで食べるよう指導する」「担任が注意深く様子を観察する」といった記載にとどまっており、具体的な指導方法や見守りの体制については、各学校現場に任されているのが現状です。
このような状況では、教員の経験や認識の差によって、児童への安全指導や見守りの質にばらつきが生じてしまう可能性があります。
特に、今回の福岡県みやま市の小学校のケースのように、新任の先生が事故対応や危険食材への認識が不足していたという指摘があることを考えると、より具体的で実践的なガイドラインや、教員への定期的な研修の必要性が浮き彫りになります。
まとめ:ウズラの卵で小1男児が窒息死した小学校はどこ?遺族が福岡県みやま市を提訴
今回の記事では、福岡県みやま市の小学校で発生した、給食のウズラの卵による小1男児の窒息死事故について詳しく見てきました。
事故が起きた小学校は桜舞館小学校であり、ご遺族が市を提訴したことで、この痛ましい出来事が再び注目されています。
この窒息死事故は、単なる不運な事故として片付けられるべきではありません。
過去にも同様の事故が繰り返し発生していること、そして文部科学省の指導が現場任せになっている現状を考えると、給食の安全管理体制に根本的な見直しが必要であることは明らかです。
特に、ウズラの卵のような喉に詰まりやすい食材については、提供方法や指導方法において、より詳細で具体的なガイドラインが求められます。
今回の訴訟を通じて、事故の真相が明らかになり、責任の所在が明確になることを願っています。
そして何よりも、二度とこのような悲しい窒息死事故が起きないよう、全ての小学校で給食の安全対策が徹底されることを心から望んでいます。
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